実家の庭じまいとは?
〜高齢の親の負担を減らしつつ安心して暮らせる庭へ整える方法〜
「庭じまい」とは、庭をなくすことではなく、年齢を重ねても無理なく維持できる庭へ整えることを指します。
最近では、「実家の庭をどうしよう」「高齢の親の負担を減らしたい」と考える方から注目されています。
私はリフォームと終活・相続の相談に携わっていますが、庭の管理は住まいだけでなく、親の気持ちや家族関係、将来の相続にも関わる大切なテーマです。
今回は、庭じまいの意味と、後悔しない進め方についてお話しします。
なぜ今、「庭じまい」が必要なのか
若い頃は楽しみだった庭の手入れも、年齢を重ねると大きな負担になります。
- 草取りで長時間しゃがむのがつらい
- 脚立に上るのが危険
- 重い植木鉢を運べない
- 真夏の作業が命に関わるほど危険
このような理由から、少しずつ庭の管理が難しくなっていきます。
一方で、子ども世代も仕事や子育てに追われ、頻繁に実家へ通うことは簡単ではありません。
「時間ができたら手伝おう」
そう思っているうちに、庭は少しずつ荒れてしまいます。
そして、庭が荒れると、防犯や近隣トラブル、建物の劣化など、さまざまな問題へ発展する可能性があります。
だからこそ、これからの暮らしに合わせて「管理できる庭」へ整えることが大切なのです。
子どもの判断だけで庭を変える危険性
ここで一つ、ぜひ知っていただきたいことがあります。
それは、子どもの価値観だけで庭を整理しないことです。
子どもから見れば、
「もう誰も手入れできないんだから、全部切ってしまえばいい。」
そう思うかもしれません。
しかし、親にとって庭は単なる植物ではありません。
- 結婚記念日に植えた木
- 子どもの誕生を記念して植えた花
- 亡くなったご主人が毎年手入れしていた松
- 孫と一緒に育てた果樹
そんな人生の思い出が詰まっていることも少なくありません。
その思いを聞かずに庭を大きく変えてしまうと、
「もう自分は何もできないと思われている。」
「邪魔な存在になってしまった。」
そんな気持ちになってしまう方もいます。
庭仕事は生きがいになることもある
庭の手入れは、単なる作業ではありません。
- 毎朝花を見る楽しみ
- 季節の移り変わりを感じる時間
- 軽い運動
- ご近所との会話のきっかけ
高齢者にとっては、生活の一部になっていることがあります。
だからこそ、「もう危ないから全部やめよう」と急に取り上げてしまうと、外へ出る理由や楽しみまで失ってしまうことがあります。
高齢者支援の現場でも、「役割を失うこと」は心身の活力低下につながることがあると言われています。
庭じまいとは、庭をなくすことではありません。
負担は減らしながら、大切な楽しみは残していく。
その考え方がとても大切です。
庭じまいで大切な3つのポイント
① 親が毎日見ている景色はできるだけ残す
人は毎日見慣れた景色に安心感を覚えます。
特に高齢になると、大きな環境の変化はストレスになることがあります。
リビングから見えるお気に入りの木や、季節を感じられる花壇などは、できるだけ残すことをおすすめします。
景色が少し残るだけでも、「自分の家」という安心感は大きく変わります。
② 管理しやすい植物へ少しずつ変える
毎日の水やりや頻繁な剪定が必要な植物ばかりでは、どうしても管理が大変になります。
そこでおすすめなのが、
- 手入れの少ない低木
- 宿根草
- 常緑樹
- グランドカバー
など、比較的管理しやすい植物へ少しずつ切り替えることです。
また、植木鉢を減らすだけでも、水やりの負担は大きく軽減されます。
「好きな植物を全部なくす」のではなく、「管理できる量にする」という考え方が大切です。
③ 思い出を聞いてから残す木を決める
庭のリフォームを始める前に、ぜひ親御さんへ聞いてみてください。
「この木には何か思い出がある?」
「一番好きなのはどの花?」
「昔はどんな庭だったの?」
すると、思いがけない話を聞けることがあります。
その会話自体が、親子にとってかけがえのない時間になるでしょう。
そのうえで、本当に残したい木を一緒に決めていけば、後悔の少ない庭じまいにつながります。
【会話の具体例】
子:「最近、庭の手入れ大変じゃない?」
親:「ちょっと疲れることもあるね」
子:「無理しないでほしいなと思ってて。もしよかったら、一緒に少し楽になる方法考えない?」
親:「そうだね、少し減らしてもいいかも」
子:「この木は思い出ある?残したいものを一緒に決めよう」
このように、「否定せず・一緒に考える姿勢」で話すことが大切です。
実際によく行われる庭じまいのリフォーム
庭じまいといっても、工事内容はさまざまです。
例えば、
雑草対策
- 防草シートを敷く
- 砂利を敷く
- 人工芝にする
植木の整理
- 大きくなりすぎた木を伐採する
- 剪定しやすい樹木へ植え替える
- 不要な庭石を撤去する
安全対策
- 手すりを設置する
- 段差をなくす
- 滑りにくい舗装にする
管理の負担軽減
- 花壇を小さくする
- 鉢植えを減らす
- 自動散水設備を設置する
すべてを一度に行う必要はありません。
ご家族の状況やご予算に合わせて、少しずつ進めることも十分可能です。
【庭じまいを始める前のチェックリスト】
- 親が大切にしている植物を把握しているか
- 危険な場所(段差・脚立作業)がないか確認したか
- 管理が負担になっている作業を聞いたか
- 残したい景色や場所を共有できているか
- 無理のない予算とスケジュールを考えているか
このチェックをしておくことで、スムーズに進めやすくなります。
庭じまいは住まいの終活でもある
終活というと、遺言書やエンディングノートを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、私は「住まいを整えること」も終活の一つだと考えています。
管理できなくなった庭。
お手入れできない庭木。
危険な段差。
こうした問題を少しずつ解決していくことは、将来の家族への思いやりにもつながります。
「子どもに迷惑をかけたくない。」
そう考える親御さんは少なくありません。
庭じまいは、その思いを形にする方法の一つでもあります。
将来の相続にもつながる準備
少し現実的なお話になりますが、庭の管理は家の印象にも大きく影響します。
もちろん、庭だけで家の価値が決まるわけではありません。
しかし、きちんと管理された庭と、何年も放置された庭では、訪れた人が受ける印象は大きく異なります。
また、枝が外壁を傷つけたり、落ち葉で雨どいが詰まったりすると、建物そのものの劣化にもつながります。
つまり、庭を整えることは、家を守ることにもつながるのです。
まとめ
庭じまいとは、庭をなくすことではありません。
これから先も安心して暮らし続けられるように、無理なく管理できる庭へ整えることです。
そして何より大切なのは、「親の思い」を置き去りにしないことです。
「全部切ってしまおう。」
ではなく、
「これからも安心して暮らせる庭を一緒につくろう。」
そんな気持ちで話し合いを始めてみてください。
庭には、その家族だけの思い出があります。
だからこそ、思い出を残しながら、これからの暮らしに合った庭へ少しずつ変えていくことが、後悔しない庭じまいにつながります。
要点まとめ
- 庭じまいは「庭をなくす」のではなく「管理できる庭に整える」こと
- 高齢になると庭の手入れは大きな負担になる
- 親の思い出や気持ちを尊重することが最も重要
- 楽しみや役割を残しながら負担を減らすことがポイント
- 小さな改善を積み重ねることで無理なく進められる
すぐに行動するための次のステップ
- 親に声をかける
「最近、庭の手入れ大変じゃない?」とやさしく会話を始める - 一緒に現状を確認する
庭を見ながら「危ない場所」「大変な作業」を一緒にチェックする - 小さな改善を1つ決める
例:鉢植えを減らす、雑草対策をする、段差を直す - 必要に応じて専門家に相談する
無理せず、リフォームや庭のプロに意見を聞く
今日からできる具体的な一歩
「何から始めればいいかわからない」という方は、まずは次の3つを実践してみてください。
① 親への声かけをしてみる
「最近、庭の手入れ大変じゃない?」
「無理してないかちょっと気になってて」
「一緒に少し楽になる方法考えてみない?」
このように、心配している気持ちを伝えながら、否定せずに会話を始めることが第一歩です。
② チェックリストを一緒に確認する
この記事のチェックリストを印刷するかスマホで見ながら、親御さんと一緒に確認してみてください。
「これはどう思う?」と一つずつ聞いていくことで、自然に課題や希望が見えてきます。
③ 小さな改善を一つだけ決める
いきなり大きく変えようとせず、
「まずは鉢植えを3つ減らす」
「危ない段差だけ直す」
など、すぐできることを一つ決めて実行してみましょう。
小さな一歩でも、「できた」という実感が次の行動につながります。
もし、「実家の庭をどうしたらいいかわからない」「親にどう話を切り出せばいいか悩んでいる」という方は、お気軽にご相談ください。
リフォームと終活の両方の視点から、ご家族に合った方法を一緒に考えさせていただきます。
Reホームライフ石原事務所×Re法務石原行政書士事務所
住所:埼玉県所沢市緑町2丁目
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