“ありがとう”だけじゃ続かない介護に

query_builder 2025/07/05
“ありがとう”だけじゃ続かない介護に
“ありがとう”だけじゃ続かない介護に。制度と備えのリアルな話。

「子どもなんだから、親の面倒を見るのは当然」
「施設に預けるなんてかわいそう」
──そんな言葉に、苦しめられていませんか?

おむつ替え、体を拭く、食事を運ぶ。
“自分を育ててくれた親”だからこそ、
その思いに応えたくて始めた介護。

でも、
感謝の気持ちだけで何年も続けられるほど、介護は甘くありません。

つらくなって当然です。
誰かを憎く思ってしまう前に、どうか立ち止まってください。



たとえば、
「親のお金があるのに自由に使えない」
「本人がもう契約できる状態じゃない」
ということに、ある日突然直面することがあります。

その場合、裁判所に申し立てて「法定後見人」をつける必要が出てきます。

ただしこの制度は、
一度始まると原則として“亡くなるまで”第三者が関与し続ける制度です。
(※2025年度現在。今後見直される可能性あり)

後見人には報酬が発生し、
お金の使い道も厳しく制限されるようになります。
※成年後見制度の中に、法定後見と任意後見があり、法定後見はさらに3種類分かれています。どちらにしても、本人のを守ることが第一目的なので、法定後見人がついた場合、お金の管理は厳しくなります。



でも、もしまだ──
お父さんやお母さんがご自身の意思をしっかり伝えられる状態なら、
「任意後見契約」という選択肢もあります。

この制度では、
「将来お願いしたい人」を親御さん本人か選んで契約を結ぶことができます。つまり、あなたにすることができるのです。

支援が必要になったとき、
本人が選んだ人が“後見人”として動き出し、
裁判所が選任する「任意後見監督人」が見守る形で制度がスタートします。

※監督人には報酬が発生しますが、
任意後見人の判断に日常的に関与する立場ではなく、
あくまでも見守り・確認する役割です。
法定後見人とは関与の仕方が異なります。



💡そして、もうひとつ。
「今すぐできる“小さな備え”」として、
親御さんの「印鑑登録」を確認しておくことをおすすめします。

実印がなければ、見守りや契約ごとの場面で
“にっちもさっちもいかなくなる”こともあるのです。

たとえば、親の入院時に必要な契約や、
介護サービスの申込み、住宅の手続きなど——
すべて「本人の判断能力と印鑑」が前提になります。

この2つがそろわなければ、
法定後見制度という“最後の切り札”を、急きょ使わざるを得なくなることも。



制度を使うことは、決して悪いことではありません。
ただ、「今なら選べた未来」を、自分たちで手放してしまうのはもったいない。

介護は“優しさ”だけでは乗り越えられません。
でも、制度や準備を味方につければ、
あなたの不安や負担を少しずつ軽くすることができます。

どうか、ひとりで抱え込まずに。
気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。
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Reホームライフ石原事務所×Re法務石原行政書士事務所

住所:埼玉県所沢市緑町2丁目

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